2009年06月14日
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クロスゲームを見て思う・「おお振り」は野球アニメのルールを変えてしまったか

Written By: トーノZERO連絡先

 2009/06/14放送のクロスゲーム第11話「ニヤニヤするな」を見て思ったのですが。

 もしかしたら、「おおきく振りかぶって」をターニングポイントとして野球アニメというジャンルの中身の質そのものが変わってしまったのではないかと。

 そして、クロスゲームもアフター「おお振り」世代の作品ではないかと。

 それはつまり、野球アニメが追求する本質が、身体能力や技能ではなく、心理ドラマになったのではないか、ということです。

たとえば §

 樹多村光は4打席目でついに東雄平を打ち取ります。そしてニヤニヤします。東雄平はそれを見て「ニヤニヤするな」と思います。これがサブタイトルです。問題はそこからです。あまりの嬉しさに我を忘れた樹多村光は、そのまま打たれ、試合に負けます。それにも関わらず、ニヤニヤしながら敗北の打球を見送ります。悔しそうであるとか、しまったであるとか、そういう表情は見せません。

 つまり、それが「心理ドラマ」という意味です。心は思い通りにならないのです。

 更に言えば、監督が作り話と演技で3年生をその気にさせる展開も能動的な心理ドラマです。心は自分の思い通りにならず、他人に乗せられてしまうこともあるのです。

 こういう「思い通りにならない心」と、心を動かしていく心理戦は「おおきく振りかぶって」にも共通します。

 逆に言えば、たとえば旧世代の代表的な野球アニメの1つであろう「キャプテン」は「他チームより練習して強くなる」ことが柱であり、巨人の星なら「新魔球の開発」が柱になります。それとは違うわけです。

つまり…… §

 巨人の星が当たり前のスタンダードだった時代に生きた身からすれば、これは驚きですよ。

 巨人の星は好きではありませんが、クロスゲームは好きですよ。

ただ…… §

 昔好きだったアニメ、ナイン3部作がある意味でこの流れを先取りしていた可能性はあり得ますね。